2019年6月1日から、ゲームマシンアーカイブのページが公開されています。
これは、アミューズメント通信社が発行しているアミューズメント業界紙「ゲームマシン」の初期から、紙面の内容すべてを公開するという試みで、1974年から発行されている貴重な紙面を閲覧できるようになっています。
「OBSLive/基板大好き」や「レトロゲームアラカルト」などで非常にお世話になっている、アミューズメント通信社の赤木真澄氏からご提案頂き、それをお手伝いする形でゲームマシンアーカイブのページを、オニオンソフトのドメイン(onitama.tv)に設置させて頂いています。
ゲームマシンアーカイブ
https://onitama.tv/gamemachine/archive.html
細かい公開の経緯については、「アーカイブを公開するに当たって」というページに簡潔にまとめられています。
サイトを利用される方は、まずこちらに目を通して頂ければと思います。
赤木真澄氏は、書籍「それは『ポン』から始まった」を出版し、アーケードビデオ(TV)ゲームの歴史を国内でいち早く解説した第一人者です。書籍は、ビデオゲーム黎明期の歴史を詳細に記した貴重な資料として、今でも高く評価されています。その赤木氏が一貫して発行を続けている新聞が「ゲームマシン」であり、業界に関する膨大な情報が蓄積されている貴重な資料でもあります。
「ゲームの歴史」と言っても実際はとても幅広く、ビデオゲームだけでも50年以上の歴史があり、娯楽のためのゲーム機器は20世紀初頭から存在していました。
私は専門家ではありませんが、海外の機関や大学でゲームの歴史について研究が行われているという話を耳にすることも多くなり、そういった研究者と交流する機会も増えてきました。その中で、まだまだ情報が足りていないと言われているのが、日本のゲーム産業の資料です。特にビデオゲームについては、日本が大きな役割を果たしていたにも関わらず、公式な資料も少なく、歴史を記録するという動きも少ないのが現状だと感じています。
ゲームの歴史を残したいという目的意識を持っている方、活動されている方も大勢いらっしゃいます。ただ、どうしても個人の記憶や、限定された視点に頼ることになってしまい、体系的に研究したり、事実の検証をすることが難しいと、私自身も感じていました。
ゲームマシンアーカイブは、ビデオゲームの最初期である1974年から爆発的に拡大した1979年も含めて、日本で起こった事実を正確に記録した一次ソースとして、非常に高い価値を持っています。
いままで国会図書館や一部の大学では閲覧できていましたが、インターネット上で誰でも閲覧できる形でアミューズメント業界の資料が公開されることは、日本国内だけでなく、海外の研究者にとっても画期的なことだと考えています。
もちろん、そんなに難しいことを考えずに当時の雰囲気を感じるために閲覧することもできます。
どこを見ていいかわからない方は、記事ピックアップのページで時代を示すいくつかの号を取り上げて紹介していますので、ここからご覧頂くのがお薦めです。
まだ開設して間もないため、不備や間違いなどあるかもしれませんが、長い目で見守っていただければ幸いです。
現在は、1974年から1980年までを公開していますが、それ以降の年代も順次公開できるよう準備を進めています。
ゲームマシンアーカイブは、公開することがゴールではなく、これをソースとして情報を積み上げていくためのスタート地点だと思っています。個々のタイトルやジャンルについて歴史をまとめるためには、ゲーム産業そのものの歴史や、メーカーの変遷、発展の経緯といった土台ができていないと、とても希薄なものになってしまいます。
かつて世界を席巻した日本のアーケードビデオゲームについて、その経緯を伝えていくことが後の世代に大切なことと確信しています。そして、業界の栄枯盛衰を見守り、時には問題提起をしてきた赤木真澄氏とアミューズメント通信社の思いが詰まった貴重なアーカイブを、次の時代に繋げるための一助となることを、心より願っています。
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