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ゲームレジェンドにフィールドゴール筐体持ち込み

レトロゲーム系イベント「ゲームレジェンド34」でアーケード筐体の展示を行ないました。
(過去の参加報告は、こちら。)

今回も恒例のアーケード筐体展示として、「フィールドゴール(Field Goal)」(タイトー 1979)を設置しました。
前回の展示が、2019年11月なので実に3年ぶりになります。こうしたイベントがまた行われることを願っています。

フィールドゴールは、アメフトをテーマにしたアーケードゲームで、ボールとラケットを使った内容が特徴的です。簡単に言えばブロック崩しのアメフト版といった雰囲気ですが、なかなか説明の難しいユニークなゲームだと思います。
プレイヤーはコントローラーでパドルを動かしてボールを弾き返します、このあたりはブロック崩しと同様のルールです。ただし、ボールが楕円形のため不思議な角度で反射することがあります。

画面上部には、ヘルメットの形をしたキャラクター(ディフェンス)がゴールを守っています。ボールが当たるとヘルメットが消えて、ゴールにボールが入りやすくなります。ゴールにボールを入れると大量点やエキストラボールを得られるので、そのあたりを目標にしながら高得点を目指します。

なぜ大量のディフェンスがゴール周辺を守っているのか、プレイヤーは何をしているのか…など謎はつきませんが、それらも含めて70年代の自由な発想で作られた雰囲気が楽しめます。

プレイをしていると突然画面上にアメフトの選手が横切ることがあります。これはどうやら説明書によると、味方の選手でボールをパスする連携プレイを表しているようなのですが、どう考えてもプレイヤーを邪魔するためのキャラにしか見えません。至近距離でボールが反射するので、これが大きくゲームの難易度を上げています。

他に特筆する点としてカタカナ(一部漢字)による日本語表示が挙げられます。英語の文字表示が主流だった時代に、鮮やかなカラー画面で日本語が出ているのはインパクトがありました。海外向けに英語表示に切り替えることも可能で、この時代としては異例なことでした。ただ、この日本語表示は以降のタイトー作品には引き継がれていません。


©アミューズメント通信社 新聞「ゲームマシン」1979年8月1日第124号13面より引用 (https://onitama.tv/gamemachine/archive.html)

このゲームが登場した1979年7月は、スペースインベーダーのブームがまだ色濃かった時期で各社ともビデオゲーム時代に向けた新製品を開発していました。本家であるタイトーも、スペースインベーダーの続編である「パート2」を発売していましたが、CPUを使った新規のタイトルも並行して開発が行われていました。その1つが、この「フィールドゴール」です。
スペースインベーダー以前から、パドルコントローラーを使ったビデオゲームは定番ジャンルとして広く普及していました。ブロック崩し(ブレイクアウト)を始祖としたゲームは、まだ進化の過程にあったのです。
「このゲームはどこが面白い?」ブレイクアウト編の中でも、多くのバリエーションについて触れていますので、よかったら見てみてください。

フィールドゴールは、ブロック崩しのルールから派生したものではありますが、ブロックに相当するディフェンスが動いたりエキストラボールやリプレイが得られるなどのスタイルは、むしろ「サーカス」(Exidy 1977)をもとにしていると考えられます。

「サーカス」は1977年に発売されたゲームで、日本では「風船割り」と呼ばれていました。サーカスでシーソーに乗ったピエロが上空の風船を割っていくというもので、かなり早い時期にCPUを使用し音楽演奏なども実現している歴史的な作品です。
ブロックが動く、エキストラボール、リプレイなどの要素は「サーカス」で導入されていたものでした。フィールドゴールでは、これをアメフトのフィールドに置き換えてゴールという要素を新たに追加してアレンジしたものと言えるでしょう。
タイトーは後に、ブロック崩しの進化系である「アルカノイド」を発売し大ヒットとなります。そういったパドルを使ったゲームの歴史へと繋がる存在感のあるタイトルだと思います。

今回もブースには多くの皆さんに来て頂き、当時の筐体で遊んで頂きました。ブースにお越し頂いた皆様、ありがとうございました。
フィールドゴールは、もともと難しいゲームで古いこともあって皆さん苦戦されていたのですが、その中でも高得点を出す方がいることに驚かされました。3位まで記録される最終的なハイスコアは、以下の通りになります。


1ST 40460 / 2ND 22820 / 3RD 18680

今後また機会があれば、展示を行なっていきたいと思います。

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